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当センターで実習を行う方へ

2023.07.22 更新

*社会的養護総合情報サイト チャボナビで紹介された記事です。
                       https://chabonavi.jp/


【養護じゃなくて心理です!! 全国に少ない施設の実習内容とは?】
熊本県・児童心理治療施設 こどもL.E.Cセンターの実習担当者にインタビュー!
服部さん

◆実習前に、実習生に準備して欲しいことは何ですか?

私たちの施設は「児童心理治療施設」です。「児童養護施設」については割と知られてきていますが、「児童心理治療施設」については実習担当の先生でさえ知らないこともあるほどです。 「児童心理治療施設」の概要、特性を少しでも知ってきてもらえると、より実りのある実習になるのではと思います。 私たち施設側としても、知っていただくための活動をしたいと思っています。

◆実習の受け入れ状況は?

コロナ前で年間10名程度、メインで受け入れているのは保育士資格を取得予定の学生です。 そのうち2割が施設を知って希望して来る方ですが、その他は立地やアクセスなどの条件で来ている方が多いです。

◆実習の内容は?

まず事前オリエンテーションを30分~1時間程度で実施します。実習の2週間前くらいに実施し、施設概要の説明、館内見学などをしています。

次に実習本番です。実習期間は5日×2回で2週間程度です。
実習開始時は、各役職(心理士、看護師等)からのオリエンテーションを約1時間ずつ。各部門の狙いをお話ししています。 その後でいよいよ児童対応に入っていただきますが、プログラムをかっちり決めるというよりは、日々の流れで変動します。
基本的には通所部門*で子どもたちと一緒に過ごします。子ども対応がない時は館内清掃などの雑務をしてもらうこともあります。 トラブル対応は職員がするので、とにかく子どもと積極的に関わってもらうことを大切にしています。

※通所部門:併設された「ひまわりクラブ」のこと

◆実習を通して学んでほしいことは?

対人援助職の楽しさを実感してもらいたいです。
短い期間だとしても、子どもの小さな変化はあります。それに気づいて、そこに楽しみを見出して欲しいです。 短期間の実習では、身につかなくとも、気づければよいのではないかなと思います。

子どもたちとの関わり自体も楽しんでもらいたいです。 そのために実習生と子どもたちも交えて野球をしたり、会話の中に入ってもらったり、気構えなく関われる機会を作っています。 カードゲームやボードゲームもひとつのツールです。実習生一人ひとりの持ち味を施設としても理解して、関われる機会を作っていきたいです。

◆実習中、施設として配慮しているのはどんなことですか?

「児童心理治療施設」という特性上、子どもたちが暴れる場面に居合わせて、戸惑う学生もいます。 夕方の振り返りで、子どもの様子も日ごとに違うので、気にすることではないと経験を踏まえて伝えています。 実習生自身も、実習期間中に実際に見て、場数を踏むこと、またいろいろな職員の話を聞くことで、変わってきます。
思春期の子どもたちとの関わりは難しいこともありますが、そういった時は「話せなくて当然で、挨拶ができればOK」と伝えています。 お互い探り合って当然です。反応がなくても挨拶をするように伝えています。

◆実習中、実習生に注意してほしいことはどんなことですか?

大前提として、子どもに積極的に関わってほしいです。
その上で、実習生によく伝えているのは、職員と子どもとの間のやりとり、対応をしっかり観察して欲しいということです。 その中から「自分にもできそうだな」と思うことは試して、気づいて、学んで欲しいです。

◆実習日誌を書く上での注意点は?

感想ではなく、事例など具体的な内容を書いて欲しいと思っています。 時系列をしっかりして、具体的に職員がこういう対応をしたと、個人の主観が入らないように記録して欲しいと伝えています。
実習中、メモは原則として取りません。細かな指示や、目標の立て方のレクチャーは特にしていませんが、職員によっては実習日誌に赤入れするスタッフもいます。

◆こどもL.E.Cセンターでの仕事のやりがいや楽しみは?

結果がすぐ見える仕事ではないですが、卒園した子がふらっと何年後かに来た時に、過去のやりとりや言葉を話してくれた時に、やりがいを実感します。
短期的な結果が見えないことで、日々の一喜一憂が少なく、職員のメンタリティへの影響が小さいのは、個人的にはよいことかなと思うこともありますね。

◆実習生の不安を解消するためにしていることは?

2年前から実習担当をしていますが、その時点では実習への理解が浅く、思いが至らないこともありました。 今年度、チャイボラの実習のしおりを職員間で共有して、目線を合わせました。
これから始めようと思っているのは、LINE WORKS(SNS)の活用です。 実習生と職員で対面では話しにくいことも、こういったツールを使えば伝えやすいのかもしれないなと思っています。

◆実習の良い例と悪い例を教えてください。

子どもたちの中への入り方が上手な人な実習生は、充実した実習を行うことができますね。ズカズカいかず、引く時は引くというさりげない関わりができるといいですね。
職員への質問が具体的な方も学びが多いと思います。「この時、職員はこういう対応をしたけれど、私はこうした方がよいと思ったのだが、なぜか」というような質問です。

実習生はまじめな子が多くて、突拍子もない子は見たことはありません。 残念だなと思うのは、子どもとほとんど関われないまま終わってしまった実習生でしょうか。 職員も促しますがフォローしきれないこともあります。振り返りは毎日していますが、日誌に書かれた現場にいない職員が担当することもあり、 フィードバックに具体性を持たせられないこともあります。そんな時に、LINE WORKSがうまく活用できればとも思っています。

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